質問するのは「特定の方々」…防衛省、馬毛島質問状に「個別回答せず」


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 【東京】防衛省は26日に国会内で行われた野党国会議員との会合で、政府が米軍訓練の移転先として計画する馬毛島(鹿児島県西之表市)への自衛隊基地建設に関し、市民団体が提出した質問状について個別に回答しない考えを示した。出席議員からは、基地配備に理解を求めるという防衛省の立場を踏まえ「疑問に丁寧に答えていくべきだ」と批判の声が相次いだ。

 同市の七つの市民団体は昨年12月、25項目47問の公開質問状を提出したが、回答がないという。防衛省の担当者は「特定の方々に個別にお答えしていくのではなく、住民の方々に広く防衛省の考えを説明する方策を検討し、対応したい」とした。

 赤嶺政賢衆院議員(共産)は「丁寧に答えるのが防衛省の姿勢であるべきだ」と指摘。質問提出者を「特定の方々」と表現したことに「レッテル貼りをして答えないのは許されない」と批判した。

 一方、馬毛島を利用する自衛隊機や米軍機の飛行経路について防衛省は「大隅半島にはかからない」と説明した。屋良朝博衆院議員(立民)は「沖縄では飛行経路や低空飛行の問題が発生している」とし、沖縄の実態に照らし、政府の答弁を疑問視した。