名門・磐田の猛攻に耐えた! FC琉球1点死守、収穫の快幕


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後半、ゴールラインに壁をつくり、ジュビロ磐田のフリーキックを防ぐFC琉球の選手ら=2月28日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(ジャン松元撮影)

 サッカー明治安田J2の第1節最終日は2月28日、各地で行われ、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでの今季開幕戦でジュビロ磐田と戦い、1―0で勝利した。勝ち点3を得て、順位は8位。3871人の観客が詰めかける中、2年ぶりの開幕戦勝利をつかんだ。次戦は3月6日午後4時から、同会場でレノファ山口FCと戦う。 (古川峻)

 開始わずか57秒だった。FW阿部拓馬がポストプレーでMF風間宏矢にボールをつなぐと、右サイドを駆け上がるDF田中恵太に風間がパス。田中のクロスに反応したMF池田廉が「見えてなかったけど感覚で打った」と鋭角の位置からシュートを放ち、GKの頭上を越える先制点を決めた。

 しかしその後は優勝候補の磐田の攻撃力を前に「88分間は苦しい時間だった」(樋口監督)。全ての時間帯が苦しかったと振り返る防戦一方の展開は数値を見るとわかりやすい。琉球のシュート数4本に対し、20本を打たれた。コーナーキック数も磐田の半分以下。固唾(かたず)をのんで見守るスタンドからは窮地をしのぐたびに安堵の声が漏れた。

 全体での守備の連動がかみ合った証しでもある。センターバックの岡﨑亮平や知念哲矢が中心になった。好セーブの連発で貢献したGK田口潤人は「声掛けでDFラインを統率してクロスを打たれる前にクリアできた。全体の守備意識で共通事項があった」と手応えを口にした。

 就任1年目は80失点、2年目は61失点。今季は40まで減らすことを目指している樋口監督は「精度の高い守備だった。耐える戦い方もできると感じた」と船出で収穫を手にし、成熟した戦い方を見せていく。


池田が決勝点

(1)タピスタ
琉球 1勝(3)
1―0(1―0,0―0)
磐田 1敗(0)
▽得点者 【琉】 池田(1)
▽観客 3871人

 【評】ともにパスをつなぐサッカーを志向するチーム。持ち味を発揮したのは磐田だった。前半は磐田がボールを支配しながらも攻めあぐねていたが、後半は攻撃陣に厚みを持たせ、見せ場をつくった。琉球は最後まで連動した守備でしのぎ切った。