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【沖縄】本紙の「囲碁欄」で2月10日から7譜にわたり掲載された親子対決の決勝戦が、囲碁ファンの間で大きな話題になっている。それも「息子の見事な勝利」と解説者が絶賛した。
親子対決は、友利敏雄さん(59)=沖縄市、六段、公務員=と長男の颯さん(17)=五段、球陽高2年。親子が通う沖縄市松本囲碁会館(當山勝席主)が企画した試合形式の研究会で、2人が決勝戦に進み実現した。敏雄さんは県内で強豪として知られる実力者だ。
本紙「囲碁欄」解説の仲村正一さんは「親子対決」と見出しを打った第1譜で颯さんの布石を“令和の香り”と表現した。囲碁界もAI(人工知能)が席巻している状況で、AIで感覚を研ぎ澄ませた颯さんと敏雄さんの“昭和~平成の布石との対峙(たいじ)”となった。
最終的には黒番を握った颯さんの中押し勝ち。仲村さんは「見事な勝利」とたたえ、「精進し父に追い付き、追い越してほしい」と期待を込めた。
颯さんは小学2年の時、父の影響で母和美さん(48)が囲碁のゲームソフトに熱中しているのを見て興味を持ったという。当時、祖父も囲碁好きで3級程度。学校から帰宅後、星目で挑戦が続く。しかし1年足らずで祖父を追い越し、6年時には初段にスピード昇段。全国少年少女囲碁大会で3度県代表の実績を持つ。才能は開花し、県大会への出場経験などを経て一気に五段になった。20日に行われた月例会でも優勝した。
同囲碁会館に通うようになって3年目。特に憧れのプロ棋士はおらず、実践を積んで実力を付けてきた異色のタイプ。自身も県内トップ棋士で席主の當山七段は颯さんの棋風について「感性が鋭く、何よりも読みが深い」と将来性に太鼓判を押す。颯さんは理数系の進学を目指しているが、「今は父がライバル。早く追い越したい」と目を輝かせた。
當山席主は「颯さんら若手の活躍は本当にうれしい。棋譜欄の反響に驚いている。素人も大歓迎。各地の碁会所に気軽に足を運んで囲碁を楽しんでほしい」と呼び掛けた。
當山席主は特別指導も行っている。問い合わせは(電話)090(6863)7670。
(岸本健通信員)