コロナワクチン、高齢者と一般の同時接種 沖縄は離島10町村が可能 医師確保の課題も


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 小規模離島などで高齢者(65歳以上)と一般住民が同時期に新型コロナウイルスワクチンを打つ「一斉接種」について、厚生労働省は2日までに、高齢者人口が500人未満であることに加え、総人口が千人程度の市町村や離島も対象とするとの通知を各都道府県に出した。県がまとめた2020年1月時点の市町村人口に当てはめると、県内では離島10町村がこの対象に含まれることになる。

 10町村は渡嘉敷、座間味、粟国、渡名喜、南大東、北大東、伊平屋、伊是名、多良間の9村と与那国町。これらには一斉接種を求める自治体もあれば、ワクチンが届く日程や医師らの確保が見通せないことから方針を決められなかったり、一斉接種を検討していなかったりする自治体もある。

 10町村のうち、本紙が2月に実施したアンケート調査では粟国、伊平屋、伊是名、南大東の4村が一斉接種を「希望する」と回答している。

 「希望しない」と回答した渡名喜村の担当者は2日、本紙の取材に「村の人口が少なく、医師の確保の見通しも出てきたので国の通知に基づいて対応したい」と一斉接種の準備を進める考えを示した。

 多良間村は現時点で一斉接種を検討していない。「感染拡大防止や、まれにあるとされる副反応にも備えるため」だという。座間味村の担当者は「供給スケジュールや医師・看護師の派遣がどうなるか決まらず、まだ確定できない」と説明した。

 竹富町は自治体規模では対象に含まれないが、九つの有人離島があり、一斉接種を希望している。現状では5島6地区に会場を設けての集団接種を想定しているが、医師確保が見通せず、受け入れ準備は足踏みしている状況にある。担当者は「ワクチンが来たらすぐ接種できる態勢をつくりたいのだが、なかなか決まらないのが現状だ」と述べた。