「住民に不安を与えた」 泡消火剤流出の空自那覇基地が沖縄県と那覇、豊見城市に謝罪


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保育園の敷地に付着した消火剤とみられる泡=2月26日午後5時10分ごろ、那覇市高良

 航空自衛隊那覇基地から泡消火剤が流出・飛散した問題について、航空自衛隊は3日、県と那覇、豊見城の両市に対し「基地周辺住民の方々に不安を与えたことは誠に申し訳なく思っている」と謝罪する内容の文書をファクシミリで送った。周辺住民に事故を素早く知らせる体制構築や事故の再発防止の意向も盛り込んだ。本紙の取材に対し空自は「説明として足りなかった部分があったかもしれない。丁寧に説明する趣旨だ」と述べた。

 空自は事故後、自治体に「毒性または損傷性はほとんどない」と広報した理由に関し「製品カタログに記載されている」と述べた。「危険」と記されている消火剤の安全データシートについて「確認しているが、カタログに載っている表現を使用した」という旨を伝えた。

 安全性について「消火剤の泡は原液ではなく混合液で、含有率3%に薄められたものだ。会社に問い合わせた上で健康被害につながる可能性は低いと考えている」と強調した。

 謝罪の言葉は基地司令官名で記され「事案発生の際は速やかに周辺住民に知らせる体制を確保していく。再発防止に努め、入念で確実な点検などで機材や装備、施設の管理に万全を期したい」とした。

 製造元の企業は本紙の取材に応じ「法律に基づいて著しい毒性がないことはクリアしている。火災の際に使う物で、飲み込んだり肌に付けたりすることは想定していない」と答えた。

 空自の問い合わせに対し、安全データシートは原液について述べたものであることや、直ちに死に至ることはない旨を伝えたという。一方、注意喚起が十分だったかどうかについてはコメントを控えた。

 PFOS(ピーフォス)以外の有機フッ素化合物が含まれているかどうかについては「法律に基づいて対応している」とし、明確な回答を避けた。