公明党は慎重、与党内でも温度差 基地周辺土地の売買規制強化


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住宅地に囲まれた米軍普天間飛行場=2017年

 【東京】安全保障上、重要な施設周辺の土地買収の規制を強化する法案を巡っては、政府与党内で意見が割れている。政府が目指す3月中の閣議決定は困難との見方も出ている。

 自民党は2月18日に開いた内閣第1部会・安全保障と土地法制に関する特命委員会の合同会議で法案を了承した。

 特命委の佐藤正久委員長代理は了承に先立ち「日本人、外国人であれ、大事な施設周辺の土地を変な形で利用されては絶対に困る」と強調。野党時代に勉強会を立ち上げて検討を重ねてきた経緯に触れ「何としても今国会で成立させる意気込みだ」と述べ、早期成立に強い意欲を示した。

 法案は、長崎県対馬市や北海道千歳市で自衛隊施設周辺の土地を外国資本が取得したことなどから、昨年12月に自民党と政府の有識者会議それぞれが規制強化を求める提言を政府に提出した経緯がある。

 一方、公明党の北側一雄副代表は2月25日の会見で「経済活動の自由や国民生活と関わる話だ」と述べ、審議に慎重を期す姿勢を示した。「重要施設や国境離島の大事な機能を損なう恐れのある行為を抑止するのはとても大事なものだ」と法案の目的には理解を示しつつも、「例えば市ヶ谷の防衛省で周囲1キロを指定すれば、東京のど真ん中で取引を事前届け出にするのは、なかなかの規制になる」と影響の大きさを指摘した。