沖縄県内の大半の公立中学校で6日、卒業式が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため各学校が出席者を制限するなど式典を縮小する中、卒業生は家族や恩師らに見守られ、学びやを巣立った。
宜野湾市立嘉数中学校(上里厚校長)の卒業式では、卒業生から歌のサプライズがあった。「離れても心にいる」「背を向けてしまった時も離さず手を取って温かく包み込んだ」―。友人や保護者らへの感謝の思いを込め、260人の卒業生全員で作詞したオリジナル卒業歌「つぼみ」が体育館中に響き渡った。
歌詞は夏休み前に「お世話になっている方」へのメッセージを集め、中央委員会の生徒らが中心となってまとめた。「今だから伝えたいありがとう」。感謝の思いと希望にあふれた歌詞に、作曲を担当した金城李一さん(15)が優しい音色を重ねた。新たなステージへと桜の道を歩む卒業生の姿をイメージしたという。式では伴奏もし「緊張よりもワクワクが大きかった。みんなで最高のパフォーマンスができた」とうれしそうに笑った。
指揮した殿内鈴らんさん(15)は、あふれる涙をそのままに懸命に手を振った。「ずっと我慢していたがみんなの顔を見るとこらえきれなかった。これまでで一番の出来だった」と涙をぬぐいながら語った。宮城稚嘉さん(15)は答辞で「コロナで行事も何もできなかったが、それでも最高の仲間たちと学校生活を送れるだけでうれしかった。その思いをみんなでうまく伝えることができた」と述べ、笑顔を見せた。
(知念夏希通信員)