土砂採取反対ハンスト終了 具志堅さん「遺族の声聞いて」 県、知事権限洗い出しへ


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
ハンスト中に訪れた玉城デニー知事に説明する具志堅隆松さん=6日午前、那覇市泉崎の県民広場

 戦没者の遺骨が残る本島南部の土砂を名護市辺野古の新基地建設に使う計画の断念などを求め、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(67)が、那覇市の県民広場で続けてきた6日間に及ぶハンガーストライキを6日、終えた。同日午前には玉城デニー知事が訪れ「人道的にいけないということが、法律的につながるかを一生懸命探している」と伝えた。具志堅さんは「遺族の気持ちを聞いて、遺族の心情が反映されるような方法を模索してほしい」と要望した。 

 県は自然公園法に基づき土砂採掘を禁止・制限する措置命令を含め、取り得る措置や知事権限を洗い出している。併せて政府に南部地区からの土砂採取をやめるよう求めていく。玉城知事は今月中旬に上京し、基地負担軽減を政府に直接要請する予定で、その場で言及する可能性がある。玉城知事は具志堅さんに「これから生きていく人たちも鬼籍に入られた方たちも思いがつながるようにしたい」と話した。
 
 具志堅さんは、沖縄防衛局に本島南部の土砂採取計画断念、玉城デニー知事に採掘業者への事業中止命令を出すことを求め、1日からハンストを始めた。
 
 6日には「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」主催の集会が同広場で開かれ、約200人が参加した。6日間で集まった署名は2万筆を超え、県内外に共感の輪が広がった。
 
 一方、この間、菅義偉首相は参議院の代表質問で「採石業者において遺骨に配慮した上で土砂の採取が行われる」、岸信夫防衛相は「採石業者によるしっかりした対応を求めていく」と強調。業者は本紙の取材に「出荷する土砂は石灰岩部分で、遺骨が混じった表土を出荷することはあり得ない」と述べている。具志堅さんは6日、「石灰岩は雨水の浸食によって下に隙間ができる。下の部分に遺骨がないとは言えない。遺骨収集推進法では遺骨収集は国に責任があるとはっきりうたっている。業者に責任を負わせることではない」と批判し、県内外や韓国、米国も含めた沖縄戦犠牲者遺族の心情を反映した対応を求めた。