「事実と異なる説明、不誠実だ」 空自の泡消火剤PFOS検出、周辺住民から怒りの声


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 航空自衛隊那覇基地からの泡消火剤流出事故で、琉球新報が現場で採取した泡から、有害性が指摘される有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)が検出されたことを受け、周辺の住民から「自衛隊は改めて調査してほしい」などと心配する声が上がった。「空自は結果的に事実と異なる説明をした」と指摘し、対応を批判する声もあった。

流出した泡消火剤を撮る自衛官ら=2月26日午後5時30分、那覇市高良

 自宅の玄関近くに泡消火剤が付着したという那覇市赤嶺の祖慶真行(まさゆき)さんは「事故が起きた日は、孫たちが敷地内で遊んでいたし、近所には学童もある」と影響を懸念した。「自衛隊は住民に直接謝罪すべきだ」と憤り「今後は事故発生から30分以内に自治体に連絡し、サンプルを採取させるという協定を結ぶべきだ」と提案した。

 航空自衛隊那覇基地の近くの保育園に息子が通う、沖縄大学教授の高良沙哉さん(42)は「(自衛隊から)『PFOSが含まれていない』と聞いて安心していた人もいたが、その前提が大きく覆った」と驚いた。「園に通う子どもたちや泡の除去に当たった市民への健康被害が心配だ。自衛隊は結果的に事実と異なる説明をしたことになる。不誠実だ」と話した。

 那覇市具志に住む上原祥典(よしのり)さん(64)は「自宅には飛んでこなかったが、飛散した場所は生活圏内だったので心配だ。再発防止を徹底してほしい」と求めた。「安全性に関する自衛隊の説明は適切だったのか。改めて調査してほしい」と疑問を呈した。

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