包丁持ち女性追う男…高校生ら3人、凶器取り上げ通報 被害防ぐ 浦添署が感謝状


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沖山秀彰浦添署長(右端)から感謝状を贈られた那覇工業高校1年の平瀬裕都さん(右から2人目)、坂元蓮さん(同3人目)と宜野湾市の城間祐輝さん=9日、浦添署

 浦添署は9日、浦添市の集合住宅で包丁を手にした男から逃げる女性を保護し、男から凶器を取り上げるなど被害を未然に防いだとして、那覇工業高校1年の平瀬裕都さん(16)、坂元蓮さん(16)と、宜野湾市の会社員城間祐輝さん(25)の3人に感謝状を贈った。

 浦添署によると、2月3日午後9時過ぎ、市内の集合住宅で、60代の女性が包丁を持った面識のない男に追い掛けられた。居合わせた城間さんは男から女性を守るように立ちふさがり、駆け付けた平瀬さんと坂元さんが男の包丁を取り上げ、110番通報した。女性を安全な場所に避難させ、高校生2人は男を諭しながら警察の到着を待ったという。けが人はいなかった。

 平瀬さんは「適切な行動だったかは分からないが、被害が出ずによかった」、坂元さんは「人助けは当たり前だと思っている。自分たちの住む場所は自分たちで守る」と語った。沖山秀彰署長に警察官になることを勧められた2人は「新たな夢として頑張ってみたい。正義感の強い、ヒーローみたいな警察官になりたい」とはにかんだ。

 沖山署長は「放っておけば二次被害も免れない状況で、3人は危険を顧みずに的確な連携と通報で被害を未然に食い止めた」とねぎらった。