全国選抜ラグビー、読谷高校創部50年で初の全国へ 展開力と技術の連動に期待


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大会へ向け練習に励む読谷高校ラグビー部のメンバー=9日、読谷村伊良皆の同高校

 白紺ジャージーが全国へ―。初の全国大会出場を決めた読谷高ラグビー部。今年は創部50周年に当たり、節目の快挙に部員や学校関係者、OBらは喜びに沸いた。読谷は大会第1日の25日、茨城県の茗渓学園と1回戦を行う。

 読谷は1月の県新人大会で14年ぶりに頂点に立ち、全国選抜出場5枠を懸けた2月の九州新人大会では、初戦で長崎南山に20―19で逆転勝ちを収めて8強入り。勝利すれば全国への出場権を得る2回戦の高鍋(宮崎)戦は19―36で敗れたが、立て続けに好ゲームを展開し、関係者から高い評価を得ていた。

 日本ラグビー協会がホームページなどで出場チームを発表した9日午後、同高運動場に読谷村の石嶺伝実村長も駆け付け、部員たちを激励した。

FW強化 実を結ぶ
 

 部員は20人と少ないが中学からラグビー経験のあるメンバーも多く、ほとんどは読谷村出身だ。久場良文監督は「全国強豪校は私立高が多く、各地から選手を集めているチームも多い。その中で村内の選手中心で構成する読谷が選ばれたのはすごいこと。しっかりと力を発揮したい」と意気込む。持ち前のバックスの強さに加え、FW強化が実を結び、この1年でチーム力を飛躍的に向上させた。

 小1から読谷ラグビースクールでプレーする主将の島袋世良は「とてもうれしい。全国レベルを知ることができ、チームの成長につながる。大会まで残りは短いが一日一日を大事にチームづくりをしたい」と気合十分で花園優勝経験もある初戦の茗渓学園戦に挑む。

 右手に包帯を巻いていた第1CTBの松尾息吹は九州新人2試合の激闘で右手親指骨折の全治3カ月。選抜には間に合わず欠場することになる。「出たかった」と悔しさをにじませながらも「治すまでの期間は自分のスタイルを見直すチャンス」と前向きに捉える。「必ず得るものはあるので学べることは学びたい。普段通りにプレーできるように声掛けしたい」とグラウンド外から支える。

 戦術について「外のスペースにつなぐ展開力と、個々の走る技術が連動する攻撃ができたらいい」と話すバックスリーダーの天久愛翔。「九州以外のチームと対戦できる機会はなかなかない。通用する部分と課題を持ち帰り、成長につながる試合をしたい」と経験値向上を見据える。FWリーダーの福山夏樹は「九州勢相手でもスクラムは負けていない。挑戦者の気持ちで最後まであきらめないプレーをしたい」と力を込めた。

 出場が正式に発表された9日午後、激励会が同高運動場で行われ、仲宗根勝校長が「出場を誇りに思う。全国でも上位を目標にしてほしい。OB、地域のみんなが応援している。暴れてきてほしい」と奮起を促した。