沖縄で確認された変異株、感染力強い英国型も WHO「懸念」と定義


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新型コロナウイルスの変異株の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 新型コロナウイルスは、細胞内で増殖する際に、自らの遺伝情報である核酸分子(RNA)をコピーするが、その際に一定の確率でコピーミスが生じる。これが変異株となる。国が監視を続ける主な変異株は英国、南アフリカ、ブラジルで報告されている3種類。3種類とも「N501Y」と呼ばれる変異が共通している。

 N501Yはウイルスのタンパク質の、501番目のアミノ酸がアスパラギンからチロシンに置き換わったもので、感染力が強まるとされる。県内で見つかったN501Y変異株2例のうち、1例は英国型だった。もう1例については、県は、どこの由来かは「判定不能」としている。世界保健機関(WHO)はN501Yを「懸念される変異」と定義している。

 一方、県内で見つかった他の6例はN501Yの変異は持っておらず、「E484K」と呼ばれる変異を持っていた。この変異はウイルスのタンパク質の、484番目のアミノ酸がグルタミン酸からリジンに変異したもので、従来株よりも免疫やワクチンの効果が低下する可能性が指摘されている。国内発生ではないと言われているが、海外のどこから来たのか、起源やウイルスが持つ影響は分からないという。WHOは「注目すべき変異」と定義している。