「星のや竹富島」海水淡水化で飲料水を自給へ ペットボトル廃止、年間5万本削減に


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 【竹富島=竹富】竹富町竹富島のリゾートホテル「星のや竹富島」(本多薫総支配人)はこのほど、海水淡水化による飲料水の自給を始めた。漂着ごみやポイ捨てにより島内で問題化するペットボトルの削減につなげる。飲料水自給化に伴い、客室でのペットボトル入りミネラルウオーターの提供を廃止。年間5万本ほどの削減につながるという。

導入された海水淡水化装置を説明するスタッフ=11日、竹富町竹富島の「星のや竹富島」

 竹富島では石垣島からの送水で生活用水を賄っており、水資源に限りがある。ペットボトル廃止に伴い、ホテルへの送水量を増やさないために海水淡水化装置を導入した。全国の「星のや」グループでも初の導入という。

 同装置は1日最大約60トンの淡水化が可能。太陽光パネル・蓄電池とヒートポンプが一体化しており、災害時にも水と湯、電力の供給ができる。2月26日には、民間施設として町内初の避難所に指定された。

 淡水化の過程で生じるエネルギーを水の温度調整や空調などに利用することで、二酸化炭素排出量を年間35トン削減できるという。

 海水淡水化に向けて取り組んだ同ホテルの足立淳さんは「離島でのエネルギー自給化に向けた一歩になることを期待している。災害時には島の人が安全に避難できる場所にもなるので、少しでも島への恩返しになれば」と話した。