中学の卒業式で「かりゆし58」が歌のサプライズ 「胸張って、いい春迎えて」


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「かりゆし58」の前川真悟さん(左)の登場に驚きながら歌声を聞いた南城市立佐敷中学校卒業生ら=6日、南城市の同中

 【南城】県出身ロックバンド「かりゆし58」のボーカル前川真悟さんが6日、南城市立佐敷中学校の卒業式にサプライズ登場し、「アンマー」「オワリはじまり」の2曲を卒業生に披露した。前川さんを前に、卒業生は涙を流したり手拍子を送ったりしながら、3年間の中学校生活を振り返った。

 卒業生は106人。新型コロナウイルス感染症の影響で、体育祭、修学旅行、中体連などの恒例行事が軒並み中止となった。

 これまではグループを作って食べていた給食も、感染防止のために全員が黒板に向かって座り、対面を避けて黙って食べた。金城奈緒さん(15)は答辞で「戸惑いながらの毎日だった」と回想した。

 今回のサプライズ企画を提案したのは、PTAだった。仲村直次PTA会長は「何とか一つでも多く、みんなで共有できる思い出をつくってあげたかった」と話した。

 式終了後、ほっとした様子の卒業生の前に、突然前川さんが登場すると、卒業生からは歓喜の声が上がった。前川さんは「今日この日を迎えられたあなたは、決して弱くも不運でもない。悔しい思いは一生物の財産です。胸を張って、いい春を迎えてください」とエールを贈り歌声を響かせた。