コロナ特例貸し付けに申し込み殺到 県内社協、処理に時間「振り込み3週間待って」


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 コロナ禍で収入が減り、生活費に困る人を対象とした国の特例貸し付けの申し込みが、窓口となる市町村社会福祉協議会に殺到している。追加の貸し付けが2月19日に始まったことに加え、以前からある貸し付けも含めた締め切りが3月末に設定されたことで申し込みが集中。処理に時間がかかることで問い合わせが増え、さらに手間を取られる悪循環に陥っている。県内でも申請数の多い那覇市社協では「振り込みまで3週間程度待ってほしい」と理解を求めている。

 コロナ禍で経済が停滞する中、国は生活費の特例貸し付けとして昨年3月に緊急小口資金(1世帯20万円)を整備した。これを利用しても収入が回復しない世帯に総合支援資金(15万~20万円を3カ月間)を4月に始め、さらに困窮が続く世帯には総合支援資金「延長」(同)を6月末に、これらを利用してなお苦しい世帯に総合支援資金「再貸付」(同)を今年2月に、時期を追って開始した。

 初回の総合支援資金は県内で3万件近くの利用があったが、「延長」は約1万件に減少した。延長を知らない人に周知するため、県社協は3月末の締め切りを前に案内文書を送付。その効果もあってか、2月中旬から申し込みが急増した。

 那覇市社協では2月上旬には1日50件程度だった「延長」などの申請が100件程度に倍増し、さらに2月19日に始まった「再貸付」の申請が1日100件以上加わった。

 職員を増員したが追い付かず、以前は申請から1週間程度で振り込まれていたが現在は3週間が必要という。

 制度の複雑さもあり、問い合わせは1日約200件に上る。市社協地域福祉課の真栄城孝課長は「生活も切羽詰まっていると思うが待ってほしい」と訴えた。困窮する人へ各社協では食料支援も行っている。

 (黒田華)