誹謗中傷特定へ法改正 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[200]


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政府は先月26日、ネット上で誹謗中傷【※1】した人を特定しやすくする法改正案を国会に提出しました。このまま法改正が成立すれば、来年末にもルールが変わる見通しです。

誹謗中傷で傷つけられた場合、相手の名前などが分からないと裁判で訴えることができません。

これまでは名前を出していない匿名ユーザーを訴える場合にすごく手間がかかっていました。そのためほとんどの人は傷つけられても「泣き寝入り」をしていました。

今回の法改正が成立すると、書き込んだ人を特定する時間・手間が省かれるので、泣き寝入りをせずに済むかもしれません。

 

※1 誹謗中傷 … 「消えろ」「クズ」など、相手を傷つける悪口。「名誉毀損」や「侮辱罪」に問われることもあります。誹謗中傷と「批判」は違うものの、関係性やタイミング、前後の文脈によって変化するため、言葉の使い方に気をつけないといけません。

 

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「消えろ」「クズ」など相手の人格を否定することは誹謗中傷ですが、「これは違うと思います」など相手の意見を否定することは批判になるため、ルール上はセーフです。

しかし、誹謗中傷と批判の境界線を常に意識しないと、「本人は批判のつもりが誹謗中傷だった」ということになりかねません。自分の言葉の使い方には常に気をつける必要があります。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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政治家が失言などで辞任し、企業の役職者なども差別発言で謝罪する時代です。昔は許された言葉・表現も、人々の感覚が変わると社会で受け入れられなくなります。

SNSでは皆が自由に意見を発信しているため、中にはとんでもない言葉が飛び交い、その中で感覚がまひし、自分も使いそうになるかもしれません。

しかしそこはグッとこらえて、丁寧な言葉使いでいきたいですね。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/