廃棄の危機だった普天間跡地の未来模型、沖国大へ「考えるきっかけに」


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約25年前に普天間高校の生徒が制作した普天間飛行場跡地利用の大型模型を比嘉良徳さん(左)から引き取る沖国大の友知政樹教授(左から2人目)ら=15日、那覇市の首里高校

 1995年に普天間高校の生徒が制作し、廃棄の危機に直面していた米軍普天間飛行場跡地利用の大型模型を巡り、沖縄国際大学経済学部の友知政樹教授が引き取りを申し出た。15日、保管されていた那覇市の首里高校を学生らと訪れ、同大へ運んだ。模型は今後、沖国大5号館のロビーに設置される。

 3日付の本紙報道で模型が行き場を失っていることを知った友知教授は「普天間飛行場に隣接する沖国大に置くべきだと思った。学生が模型を見て、返還後のまちづくりを考えるきっかけにしてほしい」と話した。

 模型は、普天間高校で当時担任だった比嘉良徳さん(64)が、赴任先の学校などに運び、約25年間、平和学習に生かしてきた。現在は首里高校にあるが、校舎改築に伴い、廃棄の危機にあった。模型の引き取り手が見つかったことに、比嘉さんは「ほっとしている。当時の生徒に連絡したら喜んでいた。よりたくさんの人に見てほしい」と笑顔で話した。

 友知教授は、4月には比嘉さんや当時の普天間高生を大学に呼び、制作当時のエピソードについて話してもらう予定だ。

 模型は普天間高校1年生が学園祭の出し物として制作した。当時は普天間飛行場の返還予定はなく生徒らは遊園地や動物園など自由に未来の街を思い描いた。