火災で焼失した首里城の再建に向け、県の首里城復旧・復興推進本部(本部長・玉城デニー知事)は16日、第4回会合を県庁で開いた。現在、県内外から約51億円が寄せられる寄付金を活用し、正殿2階の玉座の背面に掲げられていた3枚の扁額(へんがく)を制作することを報告した。前回復元時には判明していなかった新たな知見が古文書から見つかったことを踏まえ、2022年度に有識者委員会を設置して仕様を定め、23年度から制作を開始する。
そのほか会合では八つの基本施策からなる首里城復興基本計画案を了承した。
制作される3枚の扁額の題字は「中山世土(ちゅうざんせいど)」と「輯瑞球陽(しゅうずいきゅうよう)」、「永祚瀛〓(えいそえいぜん)」だ。琉球王国は冊封を受けていた中国・清朝の皇帝が書いた書を扁額にしていた。
県によると、焼失前に掲げられていた扁額「中山世土」の前回制作時の期間と費用は4カ月間で、約1500万円。残り2枚は10カ月間と計約3千万円だった。
寄付金はそのほか、正殿の木材と赤瓦の調達に活用することが決まっている。調達時期や総費用は未定。
玉城知事は「これからの沖縄は復帰50周年や首里城正殿の着工など大きな節目を迎える。琉球文化のルネサンスを生み出す絶好の機会と捉えている」と話した。
※注:〓は土ヘンに「需」