エムプレオが総合優勝 男子6キロ・新垣、女子2キロ・近田が頂点 嘉数杯争奪自転車競技大会


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6キロスクラッチ トップでゴールし、ほえる新垣快琉=14日、県総合運動公園自転車競技場

 自転車の第34回嘉数杯争奪競技大会は14日、県総合運動公園自転車競技場で行われ、6キロスクラッチで新垣快琉(北中城高1年)が7分48秒554で優勝した。エムプレオ・トシアキ(同2年)が200メートルタイムトライアルを11秒276、1キロタイムトライアルで1分09秒522と2冠を達成し、個人総合優勝を果たした。2キロタイムトライアルでは、近田ちひろ(金武中2年)が2分53秒397で頂点に立った。

◆新垣、自信みなぎる走り

 エリート男子6キロスクラッチ、ラスト1周(333メートル)は5人の先頭集団による心理戦とポジション争いで見えない火花が散らされるような激烈な勝負となった。その中で集団から飛び出す逃げを仕掛けたのが北中城高1年の新垣快琉だ。3キロ地点から「ラスト1周で先頭に来るように計算していた」とポジションを計算して食らいついていた。

 作戦は見事にはまった。残り1周に入ると一気の加速で先頭に飛び出し、ほかの4人を徐々に放す。差は自転車1台分。すぐ後ろには尊敬する同校3年の玉城翔太がぴたりと付く。それでもリードを保ち、トップでゴールし雄たけびを上げた。「めっちゃうれしい」と終始頬を緩めていた。

 昨年11月の全九州高校新人スクラッチで優勝してからは「(走りに)自信を持てるようになった」。一瞬の判断やポジション取りが重要になる種目で、迷いなく勝負どころを見極められるようになったという。

 全国高校選抜(19~22日、福岡県)直前の大会で、再び頂点に立ち、上々の仕上がりに納得の表情。全国でも「上位に食らいついていく」と表彰台を見据え全力疾走する。
 (上江洲真梨子)

◆全国向け、調子上げる/エムプレオ

1キロタイムトライアル 総合優勝のエムプレオ・トシアキ

 盤石な走りで2冠のエムプレオ・トシアキが個人総合成績でもトップに。「スピードに乗せて足もよく回せ、後半もばてずに走れた」と後半まで全力疾走できた。自己ベストには至らなかったが、全国選抜に向け、調子を上げており「全国は強豪がたくさんいる。後半の調子をもっと上げていければ(入賞も)いける」と自己記録更新で上位を狙う。

 一方、6キロスクラッチは「勝負どころの判断に迷った」と位置取りなどに失敗し、6位に甘んじた。ただ個人総合では一昨年の王者、玉城翔太に1点差で競り勝った。4月からは最上級生。競技人口の少ない県内で底上げを図るためにも「自分が全国に通用する成績を残し、強い後輩を育てる」と先輩としての自覚を口にした。

◆持久力向上が奏功/近田

2キロタイムトライアルで頂点に立った近田ちひろ

 オフシーズンに持久力向上に注力してきた近田ちひろが、2キロタイムトライアルで2分53秒397と自己記録を6秒近く更新する快走で優勝した。週末には坂道を中心に100キロ近く走り込んだおかげか「最後までばてることなく走り抜けた」と終盤までトップスピードを維持した。

 1キロタイムトライアルは1分22秒649でベストを2秒更新。200メートルは自己記録に届かなかったが、順調な仕上がりに手応えも感じている。次戦で「3種目全部で自己記録更新を狙っていく」と誓った。