糸満の土砂採掘 沖縄県が届け出を受理 中止の根拠洗い出し来月16日までに判断


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 糸満市米須で土砂を採掘しようとする業者が自然公園法に基づいて県に開発を届け出ている件で、県は18日、届け出を受理した。自然公園法に基づいて中止やその他の景観保全を求める場合、県は受理から30日以内に判断し、措置命令を出す必要がある。この鉱山からは沖縄戦戦没者とみられる遺骨が見つかっている。沖縄防衛局は名護市辺野古の新基地建設に向けた新たな土砂採取地として、糸満市など本島南部を候補に挙げており、県は採掘を止める権限行使を模索している。

 届け出を受理した県自然保護課によると、届け出は書類などの資料が形式的に正確で整っていれば受理する必要があり、この日の受理となった。これを受けて県は措置命令を出すかについて、4月16日までに判断する見通し。

 この計画を巡っては、遺骨収集ボランティアを続けてきた市民などから、辺野古新基地に伴う埋め立てに遺骨が混じった土砂を使うことは、「戦没者への冒とく」などと批判が上がっている。

 玉城デニー知事は「人道的にいけないということが、法律的につながるかを一生懸命探している」と述べ、遺骨が混じった土砂採掘を止める権限の洗い出しを庁内に指示している。

 県は環境部を所管する照屋義実副知事が19日に現場を視察する方向で調整している。県と県戦没者遺骨収集情報センターは採掘予定地の遺骨収集を続けており、戦没者とみられる遺骨が見つかっている。