徳本、全国初Vに喜び 津波、走り幅跳び2位 陸上日本室内選手権


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 陸上の日本室内選手権最終日は18日、大阪市の大阪城ホールで行われ、女子走り高跳びの徳本鈴奈(那覇西高―福岡大出、友睦物流)が大会記録を3センチ更新する1メートル77で頂点に立った。男子の走り幅跳びは橋岡優輝(日大)が室内日本記録を22年ぶりに更新する8メートル19で優勝。津波響樹(那覇西高―東洋大出、大塚製薬)は7メートル79で2位、小森翔(名桜大出、友睦物流)は7メートル47で3位に入った。

 男子60メートル決勝は多田修平(住友電工)が6秒56で2連覇した。予選を6秒70で通過した桐生祥秀(日本生命)は左膝裏の違和感で棄権した。棒高跳びは石川拓磨(TCS)が5メートル70で、走り高跳びは日本記録保持者の戸辺直人(JAL)が2メートル24で制した。

 女子の60メートルは三浦愛華(園田女大)が7秒38で、走り幅跳びは秦澄美鈴(シバタ工業)が6メートル33で勝った。

徳本鈴奈

メンタル強化が奏功 徳本

 初めに設定された1メートル65から4回連続で一発クリアし、徳本鈴奈が迎えた1メートル77。自身の県記録を3センチ下回るが、1回目は高さが足りず失敗した。しかし心は乱れない。「リラックスが鍵だと思った」と、2回目は背面をバーにこすりながらも成功した。

 

 続く1メートル80は「調子が上がっていたので跳べると思った」と挑んだが、2回連続で失敗。3回目は体がバーの上できれいな放物線を描き、「いった」と成功を確信したが、惜しくも足がバーに触れ落としてしまった。ただ全国規模の大会での優勝は学生時代を通じて初めて。「記録は置いといて、純粋にうれしい」と声を弾ませた。

 

 これまで高さが上がると体が硬くなることも多かったが、今大会は「全く緊張がなかった」。

 

 要因は冬季練習で取り入れた「ヨーガ療法」にある。呼吸を整えながら自身の内面と体のつながりを見詰め続けたことで、メンタルのコントロールで安定感が増した。

 

 1メートル78を跳んだ3月上旬の県内開催の春季記録会に続き、順調なシーズンスタートを切った。

 

 「まずは県記録を更新し、今年の日本選手権でもしっかり勝てるようになりたい」と国内トップを走り続ける決意だ。

津波響樹

ライバル好記録に刺激 津波

 東京五輪の参加標準記録を突破している男子走り幅跳びの津波響樹にとって、五輪イヤーの開幕戦となった今大会。1月から続いた沖縄合宿中から状態が良く、大会記録(7メートル90)や室内日本記録(8メートル07)を超える自信はあったが、結果は7メートル79。

 

 「走りは良かったけど、踏切でブレーキがかかった」と淡々とした口調で課題を見詰めた。

 

 同じく東京五輪の参加標準記録を超えているライバルの橋岡優輝は6回中5回ファウルをしながら、成功した1回の跳躍で8メートル19の室内日本新を達成した。

 

 「ちゃんと記録を出してくるのはさすが。置いて行かれないように頑張るだけ」と、いい刺激になったようだ。


 【男子】
▽走り幅跳び決勝
(1)橋岡優輝(日大)8メートル19=日本新
(2)津波響樹(大塚製薬)7メートル79
(3)小森翔(友睦物流)7メートル47

▽60メートル予選3組
(3)新崎仁也(九州共立大)6秒76

 【女子】
▽走り高跳び決勝
(1)徳本鈴奈(友睦物流)1メートル77=大会新