辺野古新基地 美謝川工事への条例適用「判断せず」 市長許可めぐり名護市見解が後退


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名護市役所

 【名護】名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局が計画する美謝川の切り替えを巡り、名護市は16日の市議会で、稲嶺進前市長時代の2014年に防衛局が美謝川切り替えなどを申請した際の市の対応について「具体的協議に入っておらず(市が管理を担う)市法定外公共物に当たるか否かの判断もしていない」との認識を示した。

 市が当時、辺野古ダム湖面一帯を市法定外公共物管理条例の対象とし、協議したとする昨年12月の市議会決議の見解を否定した格好だ。東恩納琢磨氏の一般質問に、祖慶実季総務部長が答えた。

 同条例は、河川法や道路法が適用されない、市所有の河川や道路の敷地の適正利用を定めている。同条例が適用されると、美謝川の切り替えは市長の許可が必要となる。基地建設に反対する市民らは、適用によって工事を遅らせる効果を期待する。昨年12月の決議で、市議会は14年の対応を前例として、市に条例を適用した対応やボーリング調査の中止を求めていた。

 防衛局は14年4月、美謝川切り替えや辺野古ダム湖面での環境調査などについて市に協議を申請したが、同9月、移設に反対した稲嶺前市長の許可が不要な工法に変更した経緯がある。