【東京】在沖米海兵隊による大分県の陸上自衛隊日出生台演習場での実弾射撃訓練を巡り、岸信夫防衛相は18日、広瀬勝貞大分県知事と国会内で面会し、午後8時以降の砲撃自粛を求めた県の要望を米側が受け入れなかったことを伝えた。面会後、広瀬知事は「残念を通り越して、遺憾だ」と述べた上で、訓練自体は容認する姿勢を示した。岸氏との会談後、広瀬氏が記者団に明らかにした。
2019年度に、午後8時以降の砲撃訓練の事例が相次ぎ、県側が抗議したことなどを受けて、20、21年度は同演習場での訓練は行わないことが決まっている。22年度にも再開される可能性がある。大分県側は、時間外の砲撃自粛と、小火器訓練も予定期間内に含めるよう求めていた。
広瀬氏は「このくらいのことは、ちゃんと米国に理解して協力してもらいたい、もらえるだろうと思っていた」と不快感を示した。一方、「日出生台での演習は止めてくれ、とまで言うつもりはない」として、訓練は容認する姿勢を示した。引き続き、時間外の砲撃自粛を求めていく。
日出生台演習場での実弾射撃訓練は、1996年の日米合意に基づき、米軍キャンプ・ハンセンの「県道104号越え」射撃訓練を本土の陸自演習場に分散する目的で始まり、19年度までに14回実施されている。移設先は全国に5カ所ある。