沖縄県酪農協組合長に神谷氏が就任 前理事長解任から停滞1年半、最後は賛成多数で


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 県内の酪農家でつくる県酪農農業協同組合の理事会が20日、八重瀬町の組合事務所で開かれ、理事で南風原支部の神谷翔平氏(33)が組合長に就任する役員人事案を承認した。同日付で就任した。任期は、2023年6月の通常総会までの2年3カ月。

神谷翔平氏

 酪農組合は内部対立によって次期役員体制がまとまらず、理事が任期を超えて在職するなど異例の組合運営が続いてきた。1年半余りも停滞してきた役員改選がようやく実施され、新体制の下で正常化が進むかどうか注目される。神谷氏は「乳業メーカーなどからの信頼回復に向けて取り組む。農家戸数を減らさないように、みんなが頑張って続けられる酪農経営を一致団結して目指したい」と話した。

 19日の臨時総会で新たな役員9人(理事7人、監事2人)が承認されたが、総会後に開かれた理事会で組合長の互選を巡って理事の意見がまとまらず、協議を持ち越していた。前日に続いて開かれた20日の理事会では、4対3の賛成多数で神谷氏が組合長に選任された。

 理事会後、神谷氏は「納得する形で話し合えた」と話した。

 神谷氏は南城市出身。中学から家業の手伝いで酪農を始め、南部農林高校を卒業。現在は南風原町で約60頭の牛を飼育する。県酪農青年女性部連絡協議会の会長などを務めた。

 前組合長の新里重夫氏に対しては、昨年8月の理事会で解任動議が出され、賛成多数で解任される事態となっていた。