仲里、攻守で躍動 出場5分でも代表へアピール ジャパンパラ車いすラグビー


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 車いすラグビーのジャパンパラ大会が20日、千葉ポートアリーナで開幕し、日本代表候補が3チームに分かれて総当たりで対戦した。例年は強化を目的に国外の代表チームを招いて国際大会として開催しているが、新型コロナウイルスの影響で招待を見送った。Aチームの仲里進(アディダスジャパン)は1試合目の最終盤に4分46秒出場し、ゲームコントロールや激しい守備で代表入りをアピールした。日本代表が実戦形式で試合を行うのは2019年10月の国際大会ワールドチャレンジ以来、約1年5カ月ぶり。今回の試合内容は東京パラリンピック代表選考の材料となることから、各選手ともアピールに余念がなかった。主将の池(日興アセットマネジメント)は「久しぶりの試合で、緊張感を味わいながらできた」と収穫を口にした。


出場5分、代表へアピール

横から激しく車いすをぶつけられながらトライを奪う仲里進(左)=20日、千葉ポートアリーナ(長嶺真輝撮影)

 1試合目の最終ピリオド残り4分46秒、引き締まった表情の仲里進が初の出番を迎えた。8点を追う場面。ボールを受けると、味方のブロックを使いながら機敏な動きでディフェンスをかわし、早速トライを挙げる。

 攻守が入れ替わり、意識は即座に守りへ。相手の主力に激しく車いすをぶつけ、重圧をかけ続ける。指先でパスカットし「しゃーっ」とほえる場面も。ベンチにいる時と変わらず「ボール見て」「カバー!」などと大声で指示も出し続けた。

 障がいの程度が7段階中3番目に軽い「2・5」で、万能性が求められる攻撃型のハイポインター用車いすに乗る。「パスをさばき、相手に当たっていく。何でもやるのが役割」と言う通り、攻守に躍動した。

 一方、2試合のうち出場機会はこの5分弱のみ。コートにいる間も普段やり慣れない選手とのプレーで連係のずれもあり「ちょっと残念。『もっと出してくれ』という気持ちだった」と唇をかむ。それでも昨年2月以来となる代表同士の試合で「久々に楽しかった」と声を弾ませた。

 東京パラの代表12人は6月に決まる見通し。来月以降も代表合宿が続く。「1年前に比べて状態は上がっているが、まだ完全じゃない。招集された時にアピールできるよう、体を絞っていきたい」。5大会連続のパラ出場へ、熱を帯び始めたし烈な代表争いを勝ち抜く決意だ。

 (長嶺真輝)