キングス逃げ切り、広島を圧倒 並里の穴を総力で 頼れるクーリーとエバンス 第43戦


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 プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは沖縄市体育館で広島ドラゴンフライズ(西地区10位)と今季第43戦を行い、90―70で勝利した。試合序盤から堅守速攻でペースを握ったキングスは前半を49―34で折り返した。後半もリードを許すことなくそのまま逃げ切った。5連勝で通算成績を33勝10敗とし、西地区首位をキープ。2位三河が負け、地区優勝へのマジックナンバーは二つ減って「12」。次戦は21日午後2時5分から同体育館で広島と戦う。


堅守速攻、大黒柱が活躍

キングス―広島 第2クオーター、ドリブルで切り込んでシュートを決めるキングスのドウェイン・エバンス=20日、沖縄市体育館(Bリーグ提供)

 序盤から堅守速攻のお手本のような試合運びでキングスが圧倒した。安定感が光ったのは、やはりジャック・クーリーとドウェイン・エバンスだった。クーリーは24得点、15リバウンドと大黒柱の活躍。あうんの呼吸で2人がパスをつないで攻めるホットラインも会場を沸かせた。

 5連勝と結果を残し続けているキングスだが、軸となる並里成の欠場の影響は少なくない。この日は抜けた穴を埋めるように総力戦で臨み、チーム一丸で奮起した。

 満原優樹の激しい守備がパスミスを誘い、今村佳太のコート左からの3点弾はチームにさらに流れを与えた。主将の田代直希も果敢なドリブルからのシュートを積極的に狙った。並里と共にゲームメークの役割を担う岸本隆一は淡々と自分の役割をこなした。

 岸本は「まだ(並里と)話せていないが、すごくもどかしい気持ちでいると思う」とおもんぱかり「その気持ちを抱えてもらいつつ、戻ってきたら爆発させてほしい」とメッセージ。主力不在も前向きに考え「彼が戻ってきたときに各選手がステップアップできたと言えるようにしたい」とチームが成長する機会と捉えている。
 (大城三太)


▽Bリーグ1部(沖縄市体育館、1501人)
キングス 33勝10敗
 90―70(29―13,20―21,24―20,17―16)
広  島 6勝37敗

 【評】前半出だしから激しい守備を徹底し、第1クオーター(Q)で一気に得点差を広げた。速いパス回しも有効で相手の出ばなをくじく形となった。常に一定の点差を保ちリードされることはなかったが、外国人選手の個人技をなかなか止めることができず、課題も残った。

始めの守備が全て

 藤田弘輝HC(キングス)の話 守備が緩くなる時間帯もあったが、初めの守備の強度が全てだった。いい入り方ができてキングスらしいバスケができた。並里がいない穴は大きく、チーム一丸で臨んだ。早く戻ってくることを祈っている。

出だしでやられた

 尺野将太HC(広島)の話 挑戦していくつもりでゲームに入ったが、出だしで何度も速攻をやられ、ターンオーバーも多かった。最初の5分以降は、いろんなことにチャレンジしながらゲームができた。次戦は試合始めから守備の強度を上げて臨みたい。