戦没者遺骨含む土砂の辺野古使用 沖縄県議会きょう断念意見書を審議 与党会派が提案へ


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沖縄県議会

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、県議会与党会派は22日、戦没者の遺骨を含む可能性がある本島南部の土砂を埋め立てに使用しないよう政府に求める意見書案を開会中の2月定例会に提案する方針を固めた。23日の土木環境委員会(瑞慶覧功委員長)に提案する。野党の自民などに賛同を打診しており、定例会最終日の30日本会議で全会一致での可決を目指す。ただ、自民などが賛同しなければ与党による賛成多数で可決する見通し。23日の委員会で意見書案を審議する。

 与党会派が提案予定の意見書案は、南部からの土砂採取について「基地建設に賛成、反対問わず、沖縄戦の激戦地であった本島南部からの遺骨混入の土砂が使われることは人道上、許されない」と批判し、政府に対して土砂の使用断念と遺骨収集の実施を求める内容となっている。

 意見書案は既に与党側から水面下で自民や中立会派の公明に打診しているが、自民側は「丁寧な議論で全会一致を目指すべきだ」(自民幹部)との立場を示し、会期中の可決にこだわらない考え。一方、与党は会期中の可決にこだわっており、意見書案の文言を巡って委員会の議論次第では調整が不調に終わる可能性もある。

 南部からの土砂採取を巡っては、今月17日に沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表が県議会と41市町村議会に対して意見書の可決を求める要望書を提出した。

 県議会は与野党問わず、自民、公明両党も遺骨混入の土砂が使われることは人道上、許されないとして、沖縄防衛局に県民感情への配慮を求める要請書を出している。

 具志堅氏からの要望に呼応する形で意見書可決の動きは広がっている。名護市議会は22日の軍事基地等対策特別委員会で野党市議から意見書の提案があった。25日の最終本会議に提案することを含め検討する。

 宜野座村議会は23日以降に意見書を審議する。関係者によると可決の見通し。