サッカーの第54回県中学校(U14)大会最終日は21日、豊見城総合公園陸上競技場で行われ、決勝は美東が石垣に1―0で勝利した。残存している記録上では第14回大会以来、40年ぶりの優勝となった。
新型コロナの影響で開催が遅れたため、県大会から第34回九州中学校U14大会(27~28日、鹿児島県)への派遣はない。九州には地区大会の上位校から抽選で決まった小禄と玉城の出場がすでに決まっている。
<ハイライト>集中、先制点死守
美東は開始間もなく先制したが、後半は運動量が落ち、守備に徹する苦しい時間が長かった。「皆で最後まで全力で走った」(島袋佑)。耐えて終了の笛が鳴った瞬間、選手らは飛び跳ねて喜びを爆発させた。
立ち上がりからセンターフォワード島袋を起点に、ワンツーやスルーパスなど練習通りに自陣から組み立てるビルドアップで守備を崩した。前半6分のFW稲福大夢のコーナーキック。FW城間颯太が身長のある相手センターバックを引きつけ、その背後で島袋がヘディング。「狙っていた筋道でしっかり決まった」とゴール左隅に決めた。
しかし前半終了時には、ポジショニングを取るため走り続けた体力が限界に近かった。ハーフタイムで全体の重心を下げ守りに比重を置くと確認。窮地もあったが宮城駿主将は「一人一人が90分集中して勝てた」。
野原隆太監督が離任して宮古島に移ることも原動力になった。「最後の大会で優勝を届けよう」。(宮城主将)。胴上げされた野原監督は「日頃の『止めて、蹴る』動きがしっかりできていた。一人一人の意識がまとまっていた」とたたえた。
(古川峻)