公示地価、那覇商業地9年ぶり下落 沖縄の上昇率も急落1.2% コロナ影響


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県内商業地の最高価格地点となった那覇市久茂地3丁目のみずほ銀行前=23日、那覇市

 国土交通省は23日、2021年1月1日現在の公示地価を発表した。県内地価の全用途の平均変動率は前年比9・7㌽減のプラス1・2%だった。8年連続で上昇したものの、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景況悪化などで、上昇率は前年(プラス10・9%)から大幅に縮小した。市町村別では、県庁所在地の那覇市の商業地がマイナス0・6%となり、9年ぶりに地価下落に転じた。観光客向け店舗の多い商業地を中心に、市内19地点のうち11地点で地価が前年を下回った。

 県内公示地価は20年まで4年連続で全国1位の上昇率を続けていたが、観光客減少による土地収益性の悪化など、新型コロナの影響を受けて景気拡大にブレーキがかかっている。

 先行きについて、地価公示分科会代表幹事の濱元毅不動産鑑定士は「感染症の影響もあり、不透明感が強い」と見通した。

 用途別では、住宅地が前年比8・5㌽減のプラス1・0%、商業地が同13・1㌽減のプラス0・2%、工業地は同3・9㌽減のプラス17・0%だった。いずれも前年と比べて上昇で推移したが、プラス幅は縮小した。

 住宅地は、前年と比較できる126地点のうち70地点で上昇、52地点が横ばい、4地点で下落した。商業地は同59地点中、上昇は20地点、横ばいは18地点、下落は21地点だった。

 工業地は同5地点全てで上昇した。このうち豊見城市豊崎は29・1%の大幅な上昇で、全国で最も上昇率が大きい地点だった。

 県内の最高価格地点は、住宅地が那覇市おもろまち3丁目の1平方㍍当たり38万2千円(前年比0・8%減)。商業地は、みずほ銀行那覇支店などが入居する那覇市久茂地3の1の1「日本生命那覇ビル」の同195万円(同1・5%減)だった。

 県内の調査対象地域は、都市計画区域の21町村192地点だった。

沖縄の公示地価一覧など詳細はデジタル版(紙面ビューアー)3月24日付6面

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