「裁判所は逃げた」石垣の住民投票訴訟、二審も住民敗訴 新たな訴訟も検討


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那覇地方法務局が入る那覇第一地方合同庁舎(資料写真)

 「一審よりひどい」「裏切られた」。陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票の実施を巡る訴訟で、市民の訴えを再び退けた23日の福岡高裁那覇支部の控訴審判決に、原告からは落胆の声が漏れた。原告の「石垣市住民投票を求める会」のメンバーは今後も活動を続ける姿勢を強調した。弁護団は新たな訴訟を提起する方針も示した。

 「市議会は否決、裁判所は逃げる。私たちの期待はことごとく裏切られ続けている」。判決後の記者会見で、原告の宮良麻奈美さん(28)は怒りをあらわにした。弁護団の大井琢弁護士も「一審以上にひどい判決だ」と批判。上告に加え、住民投票をする地位を確認する当事者訴訟を、新たに那覇地裁に起こす考えを示した。

 求める会の金城龍太郎代表(30)は「国の方針はとても大切だが、自分たちの意見を出し合うのもとても大事だ」と訴えた。島には将来有望な若い世代が多くいるとし、「この子たちの未来を守るためにも、心を一つに、次のステップに進みたい」と前を見据えた。