南部土砂の使用断念求める意見書、西原、北中城、中城3町村議会が可決


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県に開発の届け出が出されている糸満市米須の土砂採掘予定地=3月17日、糸満市米須

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関し、戦没者の遺骨を含む可能性がある本島南部の土砂を埋め立てに使用しないよう国に求める意見書の可決が、県内の市町村議会で相次いでいる。23日は北中城村、中城村、西原町の3議会が全会一致で可決した。同日現在で那覇市、南城市の議会を含む計5議会が同様の意見書を可決した。

 琉球新報の調べでは26日までに、さらに名護市や宜野座村、恩納村、南風原町の4議会で可決される見通し。現在開かれている3月定例会で意見書の取り扱いを調整している議会があり、さらに増える可能性もある。臨時議会や6月定例会での取り扱いを目指す議会もある。

 北中城村議会(名幸利積議長)は意見書で、南部の土砂採取は「死者への冒涜(ぼうとく)」で、県民として解決しなければならない問題と指摘した。中城村議会(新垣博正議長)は「『戦没者への冒涜』で断じて容認できない」と訴えた。西原町議会(大城好弘議長)は「辺野古はもとより、工事で使用されることはあってはならない」と強調した。意見書は、南部からの土砂採取計画の断念や国の責任で遺骨収集することを求めている。宛先は首相や防衛相ら。

 一方、糸満市議会は22日、採取の懸念解消を求める意見書を賛成多数で可決し、採取の断念を求める意見書は反対多数で否決した。