大規模商業施設 建設へ広域調整 南城市照会に県が審議


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 県都市計画審議会(上原良幸会長)は25日、那覇市の八汐荘で2020年度第3回会合を開催した。南城市佐敷つきしろに計画される、床面積1万平方メートル以上の大規模商業施設の建設に向け、予定地(約6ヘクタール)の都市計画変更に必要な広域調整をした。委員から特に異論は出なかったため、県審議会は近く、南城市の計画に同意する見込み。市は同意を得られれば予定地周辺の都市計画を変更し、施設の建設を後押しする。市は施設の詳細は明かさなかったが、これまでに会員制の米系大手量販店「コストコ」が出店を計画していることが判明している。

 市によると、大規模商業施設は23年度以降の開業を目指している。出店予定地の一部が土地利用が制限される農業振興地域に指定されていたため、市は商業施設が建設可能な「近隣商業地域」に都市計画を変更するため、市都市計画審議会に諮問していた。市審議会は都市計画法に基づき、県審議会へ意見照会した。

 大規模商業施設建設予定地周辺は、現在整備中の南部東道路の終点、つきしろインターチェンジ(IC)に近接する。市は近隣商業地域への変更に加え、周辺の都市計画も「準工業地域」や「第2種住居地域」に変更して、商業施設を核とした一帯の約19ヘクタールの区画開発を進める考えだ。

 同日の県審議会では委員から施設建設の実現性について質問が上がった。市担当者は新型コロナウイルスの影響などを念頭に、「決定しているわけではなく、(事業者の判断で)もちろん見直す可能性もある」などと述べた。