「沖縄アリーナと市街地の連携を」 コザでしかできない未来を語り合う


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登壇者にリノベーションまちづくりに参加しての感想を聞く一級建築士事務所「ブルースタジオ」の大島芳彦さん(右から2人目)=沖縄市民会館

 【沖縄】街中の空き地や空き店舗などの資源を生かしながら、新たな価値を生み出す「リノベーションまちづくり」に2017年から取り組む沖縄市はこのほど、5年間の街の変化を振り返り、今後の街づくりの在り方を模索するシンポジウムを沖縄市民会館で開催した。街の活性化や地域住民の満足度向上に向け、活動の中心的役割を担ってきた事業者らが登壇。それぞれが課題を共有した上で、コザの未来を今後どう切り開いていくか意見交換した。

 市は17年以降、空き物件など街中にある資源を再活用して事業計画を作成し、オーナーや住民に提案する「リノベーションスクール」を実施してきた。スクールに参加した電気設備工事業「バナナコンセプト」代表の仲宗根巌さんは、事業者同士のつながりは増えたが「まだまだコザの街の印象は変わっていない。コザの可能性は無限大。より多くの人を巻き込み、本気で街づくりに取り組みたい」と語った。

 自家製ハムとソーセージの専門店「テシオ」店主の嶺井大地さんは、昨年3月に市内の飲食店など24店舗が出店した「コザ・スーパーマーケット」の取り組みを紹介。コザでしか堪能できない個性的な店舗の魅力を継続的に発信することで「多くの人にとってコザは可能性があり楽しい街。この街で自分も営みたいと思ってもらいたい」と展望した。

 パネルディスカッションでは、新たな施設「沖縄アリーナ」と中心市街地をつなぐ取り組みなども提案された。酒や茶など「飲む」ことに特化したセレクトショップ「リキッド」オーナーの村上純司さんは「沖縄市の特長は商業があって、スポーツ、音楽など文化振興もある。循環されている環境づくりが今後の鍵になるはず」だと強調した。