沖縄激戦地の土砂、採掘禁止を 具志堅さんら県に署名3万人分提出


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
照屋義実副知事へ署名を手渡す「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(右)=26日午前、那覇市の沖縄県庁

 戦没者の遺骨が残る本島南部の土砂を名護市辺野古の新基地建設に使う計画の断念などを求め、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんや宗教者団体の代表らが26日、ハンガーストライキなどを通して集めた4万7648人分の署名のうち、3万2800人分を県庁の照屋義実副知事に手渡した。照屋副知事は「み霊の無念の思いにどう向き合うかが試されている。法律上の壁を乗り越えることができるかどうかだが、ウチナーンチュのチムグクルとは、正しいより優しいかだ」などと述べ、開発阻止へ向けた対応を示唆した。

 糸満市米須で土砂を採掘しようとする業者が、自然公園法に基づいて県に開発を届け出ており、県が期限の4月16日までに採掘禁止などの措置命令を出すかどうか注目が集まっている。署名は具志堅さんのハンストや宗教者団体関係者、インターネットを通して全国から集まった。現在もネットを通して募集している。26日までに県内市町村の10議会が新基地への土砂の使用に反対したり、採掘に懸念を示したりする意見書を可決している。

 那覇市の県民広場で6日間のハンストをした具志堅氏代表は「まさにウチナーンチュが沖縄戦にどう向き合うかが突きつけられている。戦没者への冒涜であり、沖縄のチムグクルへの挑戦だ」と強調した。

 具志堅代表と宗教者団体は4月5~9日の間、県民広場で2度目のハンストを決行すると決めた。さらに防衛省と厚生労働省に対し、戦没者の遺骨が混じる可能性のある本島南部での土砂採掘計画を中止するよう求めるため、4月21日に上京し政府交渉をする。