車いすカメラマンの「かっこいい」恩返し 写真詩集売り上げから利用施設に寄付


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
写真詩集の売り上げを寄付する喜納盛安さん(右端)。目録も自身でデザインした=23日、那覇市の「おもろまちデイセンター若枝」

 「社会人として恩返しを」。脳性まひで重度の身体障がいがある、アマチュアカメラマンの喜納盛安さん(51)=那覇市=が23日、昨年発行した自身の写真と詩をまとめた写真詩集「気まぐれ散歩 車輪のおもむくままに」の売り上げのうち5万円を、週に1度利用している同市の「おもろまちデイセンター若枝」に寄付した。

 生まれつき肢体不自由で車いす生活を送る喜納さんは、昔から写真が好きで、車いすに備え付けたカメラで数多くの景色を撮りためてきた。写真詩集は限定300冊を出版し、その後新たに100冊の増刷も決まった。

 23日の贈呈式で喜納さんは「さまざまな人たちに支えてもらいながら懸命に生きている。写真詩集の売り上げを寄付したいという願いがあり、センターに何か恩返しができないか考えてきた」と思いを語った。

 同センターには、利用者らで構成するボッチャのチームがあり、今後ボッチャボールなど用具を購入する資金に充てる。目録を受け取った利用者の古堅真由美さんは「盛安さんの大切なお金を無駄にしないよう、みんなと練習して大会で好成績を残したい」と感謝を伝えた。利用者の池間義明さんは「モーリー、かっこいいよ。来年もぜひよろしくね」と笑いを誘った。

 「ありがとう」。贈呈式後も職員や利用者から感謝の言葉が伝えられた。喜納さんは「今後もできる限り社会貢献活動に取り組みたい」と決意を新たにした。