サッカー明治安田J2の第5節第1日は27日、各地で行われ、FC琉球は千葉県のフクダ電子アリーナでジェフユナイテッド千葉と戦い、2―1で逆転勝利した。開幕5連勝を果たし、J2参入後4戦4敗していた千葉に初勝利を飾った。勝ち点15で順位は2位のまま。
18年10月に打ち立てたJ3時代の連勝記録「5」に並んだ。J2参入後の5連勝は初。J2の開幕連勝記録は14年の湘南ベルマーレの14連勝。次戦は4月3日午後5時から、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで大宮アルディージャと戦う。
田中のクロス 流れ変える 清水のヘディングで逆転
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後半27分、敵地で相手に先制を許し、拙攻もあって重苦しい雰囲気が琉球側には漂った。だがDF田中恵太のクロスが嫌な流れを変えた。
「アバウトでもいいから、相手守備が整う前に早めにクロスを入れよう」。前半はサイドからの攻めにも万全だった千葉のDFラインも、疲れが見え始めていた。田中の正確な右足が、そのほころびを突いた。30分にFW阿部拓馬がクロスに頭で合わせて同点とすると、その5分後には代わって入ったFW清水慎太郎に完璧なパスを供給し、ヘディングによる逆転ゴールへとつなげた。
「かなりうまく蹴れた。慎太郎はああいうボールが好き。(クロスを)蹴った瞬間、入るなと思った」。攻守で全力疾走を欠かさない、琉球が誇るSBが演出した鮮やかな逆転劇だった。これで開幕から5連勝だ。「千葉のやりたいことができていた中で勝てたのは大きい」と、アウェーでの苦しい展開でもぎ取った勝利に手応えを口にした。
強敵、難敵を倒しながら着実に勝ち点を積み上げている琉球だが、まだシーズンは序盤だ。田中は「自分たちが、圧倒的な強さではないことは分かっている」と、次の勝利をものにすべく、表情を引き締めた。
(普久原裕南首都圏通信員)
大きな壁を打ち破った
樋口靖洋監督(琉球)の話 千葉がブロックを固め、そこをうちがどう崩していくかという、想定通りの展開だった。試合前、「千葉には全敗していて大きな壁だ。5連勝することでそれを破ることになる」と話していた。選手たちが打ち破ってくれた。
結果出せず責任感じる
尹晶煥監督(千葉)の話 いい始め方ができて、攻守でうまくいっていた。後半は先制後にシステムを変えようとしたが、直後に失点しまったことでタイミングを逃してしまった。選手は全力を尽くした。結果を出せなかったことに責任を感じる。