宜野湾市道11号開通 完成まで42年 元市長の悲願、代わりに見届けた妻は「感無量」


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市道宜野湾11号の開通を喜ぶ安次富美代さん=28日、宜野湾市愛知

 【宜野湾】約42年の月日を経て、地元住民が待ち望んだ沖縄県宜野湾市の市道宜野湾11号が全線開通した。開通式には、事業に着手した1979年度当時の市長だった故安次富盛信氏の妻・美代さん(89)も参加し、くす玉のひもを引いて開通を祝った。美代さんは「(盛信氏)本人も天国で喜んでいると思う」と感慨深げに語った。式には区内に道路が通る自治会長らも参列し、周辺の渋滞緩和や利便性向上を期待した。

 市道は、戦前に松並木で有名だった宜野湾街道が、米軍普天間飛行場の建設により消滅したため、代替道路として計画された。盛信氏の悲願だったが、盛信氏は2011年に亡くなった。代わりに完成を見届けた美代さんは「感無量だ」と話した。

 渋滞に悩む宜野湾自治会の仲村清会長は「待ってました」と歓迎した。真栄原自治会の長嶺将明会長は、南から北へ行きやすくなり「時間短縮でき助かる」と喜ぶ。愛知自治会の米須隆会長は開通を喜びつつ、市道から愛知区内に車両が入り込む可能性があり「抜け道にならないか懸念がある」と心配した。中原自治会の森田進会長も利便性を期待しつつ、外灯や信号機がないとして「安全対策をしっかりやってほしい」と述べた。