宜野座が7年ぶり春ベスト8 糸満ー浦添商は雨で順延、29日に試合 県春季高校野球第6日


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八重山農林―宜野座 5回裏宜野座無死満塁、セーフティーバントで勝ち越し点を奪い、一塁塁上でほえる宜野座の大保飛翔(右)=28日、アトムホームスタジアム宜野湾(長嶺真輝撮影)

 第68回県高校野球春季大会(県高野連主催、琉球新報社共催)第6日は28日、アトムホーム宜野湾など3球場で3回戦7試合が行われた。八重山は知念に2―1、興南は具志川に3―2でそれぞれ接戦を制した。美里工はシードの与勝に8―1で勝利。秋季大会優勝の沖縄尚学は美来工科を8―0の七回コールドで退けた。宜野座は八重山農林に6―1、沖縄工は北谷に3―0、KBC未来は小禄に9―4で勝ち、8強進出を決めた。糸満―浦添商は雨天のため29日に順延。セルスタでの午前9時からの順延試合の勝者が決まった時点で8強が出そろう。準々決勝4試合は30日に2球場で行う。

絶妙スクイズで勝ち越し/宜野座

 「次セーフティーバントいくから、伝えて」。同点の五回、無死満塁で打席の大保飛翔主将が、三塁コーチャーの比嘉太陽にコールドスプレーを当ててもらいながら耳打ちした。初球で左肩に球が当たったが、判定はボール。「痛くてバット振れないかなと思って、思い付いた」(大保)。コーチャーズボックスに戻った比嘉は、すぐに三走の仲村渠大也に伝えた。

 2球目。ほぼ真ん中の直球を三塁線に転がすと仲村渠は悠々と勝ち越しの生還。頭から一塁に滑り込んだ大保は「っしゃー!」と豪快にガッツポーズを決めた。

 仲村渠は「うちの主将はよくああいうプレーやるんですよ」とにやり。大保は「普段から自分たちで考えながら、アイコンタクトでプレーしている」と成功の要因を挙げた。選手間での即妙の戦略が見事にはまり、2人は「気持ち良かった」と口をそろえた。

 新垣隆夫監督は普段から「ほぼノーサイン」と言う。「発想を豊かに、それぞれの野球観を育んでほしい」と自主性を重んじる。宜野座の春8強は7年ぶり。チームのモットーを体現した大保は「ここまできたら優勝したい」と高みを見据えた。
 (長嶺真輝)

もっと配球磨く

 ●中盤で攻略された八重山農林の先発西玉得安希 序盤はいい感じだったけど、後半は直球を狙われて打たれた。もっと配球やコントロールを磨きたい。春には新1年生も入ってくる。人数が増えるので、質のいい練習をしていきたい。