土砂採取の問題を指摘 学習会で具志堅さんら3人が解説 沖縄平和ネットワーク


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遺骨が見つかった現場近くで南部土砂採取問題について説明する沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表(奥)=28日午前、糸満市米須

 沖縄平和ネットワークは28日、本島南部での土砂採取に関する学習会を糸満市の県平和祈念資料館などで開いた。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんと沖縄平和市民連絡会の北上田毅さん、平和ネットの津多則光さんが土砂採取計画の問題点などを解説した。

 市米須で土砂を採掘しようとする業者は自然公園法に基づき県に開発を届け出ており、北上田さんは知事に対し同法33条2項の中止命令の措置を取るよう求めた。業者が県や市に届け出をせず伐採を行ったことに、参加者からは「原状回復を求めるべきだ」との声が上がった。北上田さんは「さまざまな法令違反が書類を出し直すことで処理されていることは不可解だ。県や糸満市には毅然(きぜん)とした対応を取ってもらいたい」と語った。

 その後、参加者は土砂採取が予定されている市米須の現場に移動。具志堅さんは「遺骨収集法では国の責務がうたわれている。40年近く収集をやっていても石灰岩と骨の区別は難しい」と指摘した。

 沖縄戦研究者の津多さんは米須地域での戦闘状況を詳しく解説した。「生身の人間が殺されて遺骨に至るまでに、多くの血と肉が土に染み込み同化している。遺骨がないからいいというわけではなく、沖縄戦の死にどう向き合うかを考えるべきだ」と問題提起した。

 学習会の様子は後日、動画投稿サイト「ユーチューブ」で限定公開する。DVDの送付も可能。問い合わせや申し込みは同ネットワークのメールokinawaheiwanet@yahoo.co.jp