沖縄過去最大の当初予算を可決 コロナ対策など総額7912億円 尖閣で意見書も


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21年度一般会計当初予算案を全会一致で可決した沖縄県議会=30日

 県議会は30日、2月定例会最終本会議を開き、総額7912億円となる2021年度一般会計当初予算案を全会一致で可決した。野党会派の沖縄・自民19人は退席した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、税収は減少したものの、前年度比5・3%(398億円)増で過去最大となった。新型コロナウイルス感染症対応経費や社会保障関係費の増加が全体を押し上げた。

 予算案には付帯決議も付けられた。付帯決議には県に対し(1)コロナ禍で苦境に陥っている路線バス・タクシーなどの公共交通に対する支援策の強化(2)宿泊業、レンタカー、貸切りバス、観光施設等観光関連産業に対する実効性のある経済支援策の強化(3)コロナ対応も含めた県の危機管理体制の見直し―の3点を求めた。
 本会議では、自民が提出したワシントン駐在員活動事業費(6635万円)を削除し、同額を予備費に回す修正案を反対多数で否決した。
 当初予算案全体の新型コロナ関連事業は46件あり、総額で約752億円を計上した。感染の状況により、さらなる予算が必要となった場合、県は必要に応じて追加の補正予算を組む方針。

 本会議ではこのほか、中国海警局による尖閣諸島周辺海域における日本漁船への威圧行為に対する意見書を全会一致で可決した。

尖閣諸島に関する意見書(要旨)
 尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も我が国固有の領土である。中国政府は、尖閣周辺海域において、海警局所属の船舶による日本漁船への威圧行為を繰り返すなど、海域の平和と安定を脅かし、我が国の主権を侵害し続けている。
 中国は、同海域において他国の船舶を排除するために武器使用を容認する海警法を2月1日に制定した。同法は、尖閣諸島の周辺海域において操業する日本漁船を武器をもって排除することを目的としていることは明白である。
 県議会は、海警法の制定および中国による度重なる威圧行為に対し強く抗議するとともに、日中双方が対話と協議を通じて情勢の悪化を防ぎ、不測の事態の発生を回避するなど、冷静かつ平和的な外交によって相互信頼関係の構築に努め、尖閣諸島に係る問題の解決に取り組むことを強く要請する。