北谷町の予算、2度目の修正動議を可決 博物館計画「不明瞭」で1300万円減額


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北谷町役場(資料写真)

 【北谷】北谷町議会は30日、臨時会を開き、2021年度の一般会計予算の修正動議を賛成9、反対8の賛成多数で可決した。町が24年3月末までに開館を目指す町立博物館に関し、総事業費や運営方法などが不明瞭として、会派ニライの風や公明党議員ら7人が外構設計業務委託費1300万円の減額を提案した。21年度予算で修正動議が可決されるのは2度目。野国昌春町長は、21年度の予算執行に影響を及ぼす恐れがあるため、再議請求などは提出せず、受け入れる方針を示した。

 31日以降に、議会から今回の議決証明が届き次第、予算を執行する見通し。

 町は26日の臨時会で当初予算が否決されたことから、改めて当初予算を提示した。新型コロナウイルス対策で新生児給付金の支給を求める決議の可決や、町民からの支給を望む署名を「重く受け止めている」とし、約3900万円を同給付金予算として盛り込んだ。災害時や緊急時などに使用する町独自の財政調整基金を活用する。

 一方で、3月定例会の最終本会議で可決され、その後、町の再議請求で否決となった修正動議では、町立博物館に関する予算の減額が求められたが、当初予算では、そのまま盛り込まれた。

 これに対し、30日に修正動議を提出した議員たちは「博物館事業をゼロベースにするものではない。総工費や運用方法などが決まっていない中で、賛同できるものではない」などと指摘した。

 修正動議に反対し、当初予算に賛成する議員からは「町民から早期の博物館建設を望む声もある」などの意見や、建設の遅れで生じる違約金の発生を懸念する声も上がった。