沖縄尚学は着実な加点 前盛、ピンチで好リードを見せる 県春季高校野球第8日


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八重山―沖縄尚学 7回2死、捕ゴロを処理する沖尚の前盛魁来=30日、アグレスタジアム北谷(大城直也撮影)

 沖縄尚学は先発の仲宗根大斗がぴりっとしない。制球が定まらず毎回四球を与え、四回には1死一、二塁のピンチを招く。マスクをかぶる前盛魁来がマウンドに向かう。「ランナーはいいから、バッターに集中して打ち取ろう」。走っていた速球に低めの変化球を織り交ぜ、抑え切った。

 五回から継投した同じ右腕の豊田大航は130キロ台の切れのある直球を武器に好投するが、八回2死から突如、高めに浮き出し、2連続四球。再び前盛が駆け寄る。「低めに直球をたたき付けてこい」。相手打者にミートされるが、鋭いライナーに反応した豊田がグラブに収めて切り抜けた。

 試合ごとにタイプの違う5人の投手が登板する中、「投手に合った声掛けや配球を意識している」とリードに工夫を凝らす前盛。「ここまで自分の思うような守りができている」と手応えを感じている。

 この日は「これまでなかなか打てていなかった」というバットでも二回に追加点を挙げる適時打を放ち、投手陣を助けた。「準決勝も、打撃でもチームに貢献したい」と攻守での活躍を誓った。

 (長嶺真輝)