組踊の立方は24人の園児たち 創作「首里の路次楽」を公演


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
見事な唱えで客席を沸かせるライオンの子保育園の園児=浦添市のアイム・ユニバースてだこホール小ホール

 【浦添】浦添市のライオンの子保育園(末広尚希園長)はこのほど、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール小ホールで開いた発表会で、新作組踊「首里の(スイヌ)路次楽(ガクブラ)」を上演した。5歳と6歳の園児24人が立方を務め、地謡は5人の県立芸大生が協力した。同園が発表会で組踊を演じるのは昨年に続き、2回目。史上最年少平均年齢となるであろう立方たちによる、堂々とした舞台に、客席が沸いた。

 「首里の路次楽」は、子どもが同園に通う鈴木耕太県立芸大付属研究所准教授が「ブレーメンの音楽隊」に着想を得て、創作した新作組踊。

 末広園長は「首里城が焼失し子どもたちもショックを受けていると感じた。伝統の継承が必要だと感じて、組踊への挑戦を始めた」と話す。

 年明けから練習を開始。園児は家庭でも琉球古典語のせりふ「唱(とな)え」の稽古をし、寝言でも唱えをつぶやく子が続出したという。挑戦は実を結び、舞台は成功を収めた。

 練習用の唱えの音源を吹き込んだ、県立芸大大学院1年の下地心一郎さん(23)は「子どもが楽しんで演じている姿を見て、改めて芸能の素晴らしさを感じた。励みになった」と笑顔を見せた。