浦添ふ頭の民港形状案 開発進展に期待の声 潮流変化に懸念も


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那覇軍港移設予定地の浦添西海岸。正面左側の白い建物がパルコシティ=2020年8月18日、浦添市西洲より撮影

 那覇港管理組合が31日に発表した那覇港浦添ふ頭地区に整備する民港の形状案について、関係者からは、今後の開発計画の早期進展を求める声や、埋め立て面積を抑えても環境への影響が懸念されることなどを指摘する声が上がった。

 浦添商工会議所の浦崎勝専務理事は「まだ形状案を見ていないので内容についてはコメントできないが、関係者が合意できたのは喜ぶべきことだ」と歓迎した。「今後は軍港の移設協議会なども開かれ、具体的に港湾計画がまとまり、西海岸開発が早く進むことを望む」と話した。

 同市港川の自然海岸(通称・カーミージー)で自然観察会を実施する、市民団体「カーミージーの海で遊び隊」の浪岡光雄代表(71)は、新たな計画が埋め立て面積を減らしたことの効果に疑問を投げかける。「直接埋め立てなくても潮流の変化で自然環境が変わり、海岸への影響が懸念される」と指摘する。「既に沖縄のさまざまな場所に民港があり、空き地まであるのにこれ以上必要なのか。広大なキャンプ・キンザーを返還させて、施設は陸地に造ればいい」と見直しを求めた。

 西海岸の保全を求める市民団体「里浜22」の鹿谷麻夕共同代表も、埋め立て予定区域にはサンゴの大群落が広がっているとして「膨大な予算を投入してまで自然を壊す価値があるのか。防波堤で潮の流れが変わる。その影響はサンゴや海草に悪影響を及ぼす」と強調した。形状案が決められた経緯について「行政だけで決めていい問題ではない。広く県民や専門家の意見を聞く場を設けるべきだ」と語った。