OSP年次フォーラム・パートナー企業、沖縄県から


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

参加企業・団体 広がる活動に充実感

 パートナー企業・団体の来場者がOSP年次フォーラムで登壇し、1年間の感想を語った。

 日本郵便沖縄支社の竹之内啓次さんは「目標17のパートナーシップにも絡んでいるが、さまざまな企業や団体と連携しながら、活動の輪が広がっているのはよかった。社内でより動きやすくなった」と手応えを強調した。

 「はじめはふわっとしたイメージしかなくて、風呂敷を広げすぎていたことに気付いた」。日本たばこ産業九州支社沖縄支店の清水直人さんは1年をそう総括しつつ「どうすれば喜ばれるかという角度で、4月以降はグループの清掃活動を積極的にして、県民に少しでも喜んでもらいたい」と展望した。

 オー・イー・エスの小六通敬さんはワークショップ参加について「触発されて頭に血が巡るというか、セッションなんだなと。自分一人では思いつかず、やりとりの中で化学反応が生まれる醍醐味(だいごみ)をすごく感じた」と話した。

 沖縄銀行の鈴木涼子さんは「会社を代表し取り組みを話すことは貴重な経験だった。この場がなければ自分の向上もなかった」と充実感を漂わせた。

 

 沖縄銀行総合企画部経営企画グループ 鈴木涼子さん 赤土問題、子どもの貧困など沖縄県が抱える課題に対面し、SDGsに企業がどう関わっていくべきかなど見識を深めることができた。今後も共にSDGs実装に取り組みたい。

 

 沖縄クリーン工業 安里一寿さん 社業の中で、子どもたちのSDGs意識の高まりを感じる。参加する「解困プロジェクト」では、児童センターの若者たちが意見をよく聞いてくれたのが印象的だ。

 

沖縄県労働金庫経営統括部 宇地泊信司さん 連携できる団体が増え、クリスマスには食品提供を実施できた。今後につながる大きな成果だ。フォーラムでは学生のSDGsに対する熱量の大きさを感じた。

 

 日本郵便沖縄支社 竹之内啓次さん これまで地方創生としてSDGsに取り組んできたが、OSPに参加したことで社内でより動きやすくなった。横のつながりを作るきっかけとなり、ランチサポートなど活動の幅も広がった。

 

 オー・イー・エス人事部人材サービス課 小六通敬さん 解困プロジェクトのスケボーは自分が言いだした。カンファレンスの話し合いの中で触発され、その場で思いついた。他者とのやりとりで新しい発想が生まれる醍醐味(だいごみ)を感じる。

 

 沖縄食糧営業部量販課 川満元暉さん 異業種が交流することで他社の取り組みや多角的な意見、ここでしか聞けない貴重な話を聞けて非常に勉強になった。周りと協力することでより良い未来を一緒につくっていけると感じた。

 

 沖縄セルラー総務部 大城武史さん コロナ禍で社内規程などもあり、催しに参加するのが困難だった。当社の通信を活用し、新しい催しの形、オンラインとリアルのハイブリットな集まり方を提案していきたい。

 

 おとなワンサード 富田杏理さん OSP参加企業の多くがランチサポートにも協賛してくれ、現場の雰囲気や情報を共有しやすい関係性を構築できた。OSPでのつながりをきっかけに募金の仕組みも作れた。

 

 KPG HOTEL&RESORT人材開発・インターナショナル 比嘉利作さん 日頃の活動がSDGsにつながることを確信し、さらに高いモチベーションを持てるようになった。スタッフのSDGsへの関心も高まった。

 

 コープおきなわバックアップ本部総合推進室 與久田喜美子さん 「誰一人取り残さない社会」へ活動する企業や団体の皆さんと共に学び交流でき、励みになっている。今後も皆さんと協働して活動を進める。

 

 サン・エージェンシー営業企画部 君島利英さん フォーラムでは皆さんの社会課題に対する意識の高さや山田果凜さん、学生ボランティアなど若い人たちの行動力に感心した。自分の意識改革が重要だと再認識した。

 

 こくみん共済coop沖縄推進本部 岡部信義さん 各方面から若い感覚を持った方が集まり、個々人の思いや組織としての取り組みなど、さまざまな情報に接する機会をもらった。毎回、新しい発見ができる場に感謝している。

 

 沖縄創価学会 山口敬祐さん 子ども食堂や無料塾など現場の話を聞けたのが大きく、多角的に学ばせてもらった。長く続ける離島への図書贈呈などとは違う角度でも、子どもの貧困や教育に貢献できないか、話し合いを始めている。

 

 レキサス カスタマーソリューションデビジョン 古我知純アベルさん OSPで社会問題の現場を体験することができた。そこで感じた自分の無力さが成長の糧になっている。共創できる仲間を増やしたい。

 

 オリオンビールPMO 安次嶺真理さん 各パートナー企業とネットワークを構築し、新たな社会課題を発見して社内で赤土防止の企画を実施した。SDGsトップランナー企業との社内セミナーも開き、社内認知も向上した。

 

 日本青年会議所沖縄地区協議会2020年度SDGs推進委員会 大城佑斗さん SDGs推進を掲げる企業・団体と意見交流でき、団体、個人にとっても非常に意義があった。個性を感じ、学び深められるのがOSPの素晴らしい点。

 

 日本たばこ産業沖縄支店 清水直人さん 社内のSDGsの取り組みは昨年、ふわっとしたイメージで風呂敷を広げすぎた。OSPに参加して、自分が何をするかより、どうしたら喜ばれるかを重視するようになった。

 

 セブンイレブン・沖縄リクルート本部 横山周正さん 「SDGs? やらないとね。会社も言っているし」というレベルだったが、仲間たちの思い、本気に触れて仕事から思想に変わった。社内の意識が変わったのが一番の成果。

 

各企業・団体の活動報告に聞き入る参加者ら

 

 

「体制強化し推進」 県庁にSDGs室を設置 沖縄県・花城安博さん 

 SDGsが2030年までの達成目標を掲げ、「誰一人取り残さない」という理念をうたう点で、県企画調整課の花城安博副参事は沖縄21世紀ビジョンとも類似性があると説明した。
 昨年の県調査では、SDGsに関する県民の認知度は33.4%だった。地域別では八重山地域が突出して高く、世代別では10代が多かった。石垣市が国の「SDGs未来都市」に認定されていることや、学校現場での教育の寄与が要因とみられるという。
 花城副参事は具体的な県の取り組みとして、SDGsに関する万国津梁(しんりょう)会議で最終報告がまとまったことや、玉城デニー知事をトップとする県SDGs推進本部の設置、パートナー登録制度の実施を紹介した。21年4月から県庁にSDGs推進室を設置し、「さらなる体制強化を図る」と強調した。

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玉城デニー知事あいさつ(代読)

 本日のフォーラムは、積極的にSDGsに取り組む県内の企業がその普及に向け、活動の報告や表彰など、さらなる連携の意識醸成を行うものと伺っている。
 SDGsを達成するための行動は、多様なステークホルダーと連携、協働していく必要がある。参加の皆さまには「私だったらこういう沖縄にしたい」という思いを、それぞれの分野、立場から考え、誰一人取り残さない社会の実現に向け、取り組みを促進していただきたいと願っている。
 県とともにSDGsを育むパートナーとして、沖縄らしいSDGsに皆様も一緒に取り組みましょう。