社会
沖縄からSDGs

日々の選択が世の中つくる 環境活動家・露木しいなさん OSP年次フォーラム・特別講演

「露木しいなが考える『今』」と題して登壇した露木しいなさん

 大学を休学し、毎日全国の小学校から大学までを訪ねて講演している。
 高校は3年間、最先端のエコスクールと言われるインドネシア・バリ島のグリーンスクールに留学した。校舎は竹で造られた3階建てで、壁はない。授業中、野生の鶏が入ってくることもあった。
 食器はバナナの葉で、使用後は肥料にして畑に戻す。トイレはくみ取り式だが、微生物が肥料に変えてくれて臭くもない。これらを使い、畑では無農薬野菜を育てる。廃棄物が出ない循環システムがある。授業は全て選択で、好きなことを授業に取り入れられる。自分は化粧品開発をした。
 妹は肌が弱く、「ナチュラル」と書かれた化粧品で肌が荒れた。疑問に思い、表示の原材料を調べた。驚いたことは、「ナチュラル」などの言葉が「安全」を示すわけではないということだ。開発時の動物実験、プラスチックなどのごみ問題にも関心を持った。結論は「信用して使える化粧品がない」。それなら自分で作ろうと思い立った。
 グリーンスクールで学んだのは「何かを始めるのに、大人になるのを待たなくていい」ということだ。同い年の生徒は、海でごみ拾いを続ける中で、ごみを出す量を減らさなければとの思いに至った。社会が変わるには、個人の変化と社会システムの変化の両方が必要だ。この生徒2人はビニール袋の削減を訴え、消費者と政治家の両方に働き掛け、最終的に法律を変えさせた。これを目の当たりにし、自分も化粧品作りに踏み出せた。
 自分は化粧品を通していろいろなことを知ったが、食べ物や日用品などあらゆる物には、生産過程や消費後の物語がある。アマゾンやボルネオの森林は、畜産やパーム油のために燃やされている。消費者は誰も森を燃やしたいなどと思っていないだろう。だが、そこで作られたものを購入し、フードロスとして捨てられるものも多い。
 政治家や大企業には権力がある。でも、それを成り立たせるのは市民、消費者だ。私たちの日々の選択が世の中をつくっている。気候変動も一人一人が少しずつ加担している。唯一の解決策は、みんなが自分の小さな世界を変えることだ。まだ間に合う。目に見えない誰かを思いやり、日々の選択を変えていこう。

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 つゆき・しいな 2001年、神奈川県生まれ。公立小中学校に通い、高校はインドネシアの「グリーンスクールバリ」を19年6月に卒業。同年9月、慶應義塾大学環境情報学部入学。18年ポーランドで開催された気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)、19年スペインのCOP25に参加。



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