景況、マイナスが拡大 沖縄県内 コロナ、緊急事態影響


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 日本銀行那覇支店(一上響支店長)は1日、3月期の県内企業短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス21だった。前回(2020年12月)調査に比べて2ポイント悪化し、3期ぶりの悪化となった。昨年末以降の全国的な新型コロナウイルスの感染拡大や、県独自の緊急事態宣言によって観光需要を中心に下押しの圧力が強まっている。

 先行きは全産業で8ポイント改善し、マイナス13を見込んでいる。一上支店長は「大きめの改善が見込まれているが、今回の結果には足元での感染拡大や時短営業要請などを反映していない企業も多い」として、見込みよりも低調となる可能性を指摘した。

 産業別では、製造業は観光土産品や建材の需要が減少し、前回比8ポイント悪化のマイナス16だった。非製造業は、宿泊・飲食サービスが同13ポイント悪化しマイナス75、運輸・郵便が同8ポイント悪化しマイナス58、卸売りが同5ポイント悪化しマイナス5と、観光関連を中心に悪化した。情報通信は携帯電話の売り上げ増加などにより同58ポイント改善のプラス33、対事業所サービスは同40ポイント改善しプラス20だった。

 2020年度の計画では、売上高は前年同期比12・4%減、経常利益は同50・9%減だった。21年度計画では売上高は同3・9%増、経常利益は同18・7%増となった。

 雇用する人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を引いた、雇用人員判断DIはマイナス5で、全産業で前回調査から7ポイント上昇し不足超幅が縮小した。