2020年12月にオンラインで開かれた第10回スポーツデータ解析コンペティション審査会(日本統計学会主催)の「フェンシング部門」「卓球部門」で、琉球大学・大学院の学生チームがそれぞれ優秀賞を獲得した。スポーツ経験のない2チームが、競技映像のデータを解析。観客に分かりづらい優劣の状況や、相手の癖を見破る方法を生み出した。
フェンシング部門優秀賞は、理工学研究科の北島栄司さんと工学部の石木夏美さんのチーム。
試合中の動作解析を行うことで、競技未経験者などには判別が難しいフェンシングの優劣を可視化した。
北島さん、石木さんが着目したのは、選手の前後の動きではなく、奥行き(左右)の動きとつま先の座標(位置)だった。リアルタイムに選手の位置と姿勢を把握することで、優劣が分かるようにした。北島さんの解析技術を応用し、石木さんが考察を深めた。
卓球部門優秀賞は、理工学研究科の吉田成帆さんと教育学部の仲宗根慎太さんらのチーム。
「姿勢推定モデルを用いた卓球サービスのコース・球種予測」と題した研究で、相手選手の関節の角度から球種やコースを予測した。
卓球台に隠れずに見えている左肘、左脇、右膝、右腰(右利きの場合)の四つの関節に注目した。それぞれの角度を読み取ることで、ショートのサーブを打つのか、ロングのサーブを打つのかを予測した。
石木さんは「スポーツのルールも分からない状態から参加した。初めてデータ解析したが、もっと応用できると思った」と、スポーツとデータ解析の面白さを感じていた。