サッカーの第49回九州リーグが3日、県内で開幕する。沖縄SVが3日にジェイリースFC(大分)、4日にFC中津(大分)とそれぞれ南風原町黄金森陸上競技場で戦う。海邦銀行SCは4日に初戦があり、南城市陸上競技場でジェイリースFCと戦う。第1節の3日は日本製鉄大分が出場辞退し、中止となった。
今季の九州リーグは10チームで開催。優勝チームは日本フットボールリーグ(JFL)昇格が懸かる全国地域チャンピオンズリーグ(11月開催)の出場権を獲得する。自動降格はない。新シーズンに臨む2チームの意気込みを紹介する。
[沖縄SV]J経験者迎え、弱点を補強
昨年の全国地域チャンピオンズリーグは予選ラウンドで敗退した沖縄SV。2年連続でJFL昇格を逃し、選手兼代表の髙原直泰は「大一番で結果を出す」ために今季はJ経験のあるベテランを含め11人を迎え入れた。その結果チーム内に競争が生まれ、弱点だったサイドバックとGKの安定感が増した。
FC琉球でも活躍したサイドバック藤澤典隆は「どのポジションでもできるし、経験をチームに還元できる」と自信をのぞかせる。
J3八戸でプレーしたGK花田力や生え抜きでトップ登録された平真桜(日本ウェルネス高)らも加わり、層が厚くなった。
3月31日はゲーム形式の練習で最終調整した。練習では髙原が個別に指導することも多く「考えるプレー」が求められている。平は「ボールタッチや裏抜けを教わった」と学んだことを生かすつもりだ。
九州リーグ参入4年目で悲願のJFL昇格を狙う。髙原は「結果が何よりも大事になる」と目標達成を誓う。
[海銀SC]「つなぐサッカー」に挑戦
九州リーグ通算20年目を迎える海邦銀行SC。今季はロングボールから守備裏に抜けるサッカーに加え、ボールをつなぐサッカーにも挑戦している。
九州リーグを長く戦い抜いてきた背景には「夏場を走りきる」ために鍛えてきた300メートルインターバル走などのフィジカル強化が挙げられる。今季はそのトレーニング終了後に練習試合を組み、ボール保持や攻守の切り替え、前線からのプレスを磨いてきた。
新加入の2人に期待が懸かる。ヴィッセル神戸ユースでプレーしてきた那覇市出身のFW野原健太には得点が求められる。野原は「はい上がるつもりで二桁得点を目指す」と気合十分だ。
宜野湾市出身の183センチGK新里ジュリアンは1対1に自信を持つ。新里は「九州でベストイレブンに入りたい」と意欲を見せる。
沖縄SVとヴェロスクロノス都農(宮崎)が2強として存在するが、與那城慧太主将は「簡単に勝たせるつもりはない」と闘志を燃やした。