サンエー51年連続増収、3期連続減益 コロナで衣料・外食不振 2月期連結決算


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サンエーの看板

 沖縄のスーパー最大手のサンエー(宜野湾市、上地哲誠社長)は6日、2021年2月期の連結決算を発表した。売上高にテナント収益などを含めた営業収益は前期比1.7%増の2027億6700万円、経常利益は同17.7%減の95億5400万円、純利益は同20.9%減の60億7400万円となり、3期連続の増収減益となった。

 新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要で、構成比の高い食料品の売り上げが伸びたことや、浦添西海岸パルコシティ、石川シティの新規店舗の売り上げが寄与し、創業以来51年連続の増収を確保した。一方で外出自粛や緊急事態宣言による一部店舗の休業や時短などの影響で利益率の高い衣料品や外食の売り上げが落ち込み、経費を補いきれず、3期連続の減益となった。 

 部門別売上高(既存店比較)を見ると売り上げ全体の6割を占める食料品が前期比5.5%増の1152億5200万円と好調だったが、利益率の高い衣料品は19.6%減の119億300万円、外食が同27.7%減の67億6100万円と振るわなかった。

 連結子会社のローソン沖縄は直営3店舗の売上高が7億2200万円だった。

 期末配当は普通配当53円に設立50周年記念配当2円を加え1株当たり55円の増配。

 22年2月期の業績予想は、営業収益は2.6%増の2080億2200万円、経常利益は13.6%増の108億5000万円、純利益は19%増の72億2700万円と見通した。

 上地社長は2021年2月期を「コロナに翻弄された1年だった」と振り返った。増益を計画する今期について「20年4~5月のような緊急事態宣言で休業になるようなことはないだろう」と見通し、「衣料品、外食は前期ほど落ち込まないと見ている。食料品の巣ごもり需要も落ち着く。これらを勘案し予算組みした。どんなに厳しい状況でも会社を成長させていくという意思を込めた」と説明した。

サンエーの2021年2月期決算資料